コラム

なぜオリンピックに空手が無いの?

日本どころか世界中でも知名度があり、競技人口も多い空手ですが、オリンピックに空手は無いんです。
空手よりもはるかにマイナーであると思われる数々の競技があるのに、何故なんでしょう?


それにはいろいろな理由があります。
・団体やルールの統一性が無い
日本国内でも多数の団体やルールがあります。
同じ空手と名乗っていても目指しているもの、やっている事や全然違います。
これを国際標準までもっていくのは無理。
・素人は見てても面白くない
スポーツ系の組手試合などは速すぎて審判も間違うほどです。
これを一般の素人が見ても、どちらが勝ったか判りません。
そうなると、見ていても面白くは無く、人気も出ません。
・オリンピックの利権の問題
近代オリンピックの商業化は歯止めがかかりません。
そなわち、空手側とオリンピック側の利権が一致しないと採用されません。
採用のために強力な活動が必要ですが、そもそも日本国内の足並みが揃いません。
・型なら出来そうだが、審判の問題が心配
空手の型の競技なら出来そうです。
ただし、新体操やシンクロなどの芸術系でしょう。
また、外国人の審判に採点されるとなると、本来の空手からかけ離れるでしょう。
いくつか挙げましたが、これ以外にも様々な事情があります。
しかし、採用される可能性もあります。
2012年のロンドンオリンピックでは空手はスカッシュとともに、採用の候補としていい所まで行きましたが落選してしまいました。
また、オリンピック開催国は、新しい競技を正式種目として採用することが認められています。
東京オリンピックが開催されたときには「柔道」が、ソウルオリンピックが開催されたときには「テコンドー」が採用されています。
となると、いつか日本でオリンピックを開催するときに「空手」が採用されるかもしれません。
とはいえ、オリンピックの種目として採用されることは良いことなのでしょうか?
例えば、最近の柔道を見ると欧米主体のスポーツ化が激しくなっています。
柔を用いて一本を取る日本の柔道より、「ジャケットレスリング」と言った方がしっくり繰るような欧米のパワー柔道が幅を利かせるようになっています。
柔道関係者の気持ちはわかりませんが、私のような部外者でも問題があるような思いがあります。
国際化は結構ですが、歴史や伝統を失ってまでオリンピックにこだわる必要は無いと思います。
オリンピックに採用されるように頑張っている人もいれば、スポーツ化を嫌って伝統的な空手をやっている人もいます。
私はこの空手の多種多様さが気に入っています。
結局、空手は自分のためにやるものですからね。

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