空手を知らない人と話しをして、空手の話題が出るとよく聞かれるのが「黒帯ですか?」「空手?何段?」です。
ここで「初段です」と返事すると、「あ、そう」と言う流れになってしまい、なんだか微妙な空気になってしまいます。
初段と言うのは1段で、まだかじったばかりという印象なのでしょう。
空手=段、黒帯というのは一般的な認識のようですが、どの程度の鍛錬で段位を取れるかは知らない人が多いようです。
空手の段位は取るのが結構大変なんですよ。
この世に数多くある何々道、ほとんどのものは段位というものがあります。
一般的に言って初段とは、その道で一人前としてのスタートラインに立ったところです。
学校で言えば義務教育が終わったところが初段と言うわけです。
武道では、この一人前としてのスタートラインがジャンルによって違います。
武道としておそらく一番有名な柔道では、都道府県によって審査基準は違いますが、簡単な地域だと2,3ヶ月でも簡単に取れてしまうといいます。中学生で初段などは珍しくありません。
剣道では条件を満たせば中学校2年生で初段を、3年生で二段をとれます。
それに比べて一般的に空手はかなり厳しいです。
まず、空手は始めたときは無級で、その後10級→9級→・・・→1級→初段なので単純にとても時間がかかります。
流派によっても違いますが、毎日稽古して2,3年、週2回程度の稽古だと4,5年かかるのが当たり前です。
さらに初段の審査ともなると10人組み手などをやるところもあり、長年やってるから段を取れるとは限りません。
ですから若くして4段や5段なんてことは無い世界です。
バリバリの現役で2,3段ていうところでしょうか。
空手は各流派がバラバラで、統一されているわけではありません。
大雑把にわけても伝統派とフルコン派がありますし、その中でも非常に細かく流派は分かれています。
そして、段位は各流派で独自に認定しているものです。
ですから一言で空手の段位、黒帯といっても評価するのは難しいです。
しかし、簡単に段位を取れる流派は無いと思います。
「空手で黒帯」と聞いたら、それなりに長くやっている人であることはほぼ間違いないでしょう。
ただし、これは大人の話です。
空手では幼年部や少年部などの級や段は、大人のものとは別のことが多いです。
少年部と大人部の級や段は互換性がない場合がほとんどのようです。
ですから少年部で段を取ったからといっても、そのまま大人部で黒帯を締めることはありません。
大人部へ移ったときは、白帯からやり直す、または色帯に移行することになります。
ちなみに空手の段級位制や色帯制は、柔道を参考にして導入されました。
柔道の段級制度を最初に考案したのは嘉納治五郎だと言われています。
空手の段位は大正13年(1924年)に船越義珍が発行したのが初めてと言われています。
ちなみに空手の流派や段位は公的な資格ではありませんので、自称でOKです。
あなたが何の経験も無くても「○○流空手10段です」といっても、誰も否定は出来ません。
まあ、評価もされないでしょけどね。
ただし武道の段位は、実力が伴っていないと思わぬ恥をかくことになります。
一番大切なのは実力であるとこは、どの道も同じですね。
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